私の祖母は明治35年生まれてしたが、私が中学校3年の夏に好物のうな重を食べた後にうっかり梅酒を飲み、悶え苦しんで亡くなりました。うっかり梅酒を飲んだというのは、昔からうなぎと梅原食べ合わせが悪いと云われていたのですが、それを忘れていたのです。普段は食前に健康のためと言って梅酒を杯に一杯飲んでいたのですが、その日はうなぎだから飲むのを控えていたのです。ところが、うなぎを食べた後、今度は梅酒を飲むのを忘れたと思い、冷蔵庫から梅酒を取り出したのです。おそらく物忘れがひどく、梅酒を飲むのを忘れていたことを思い出した途端に今度はうなぎを食べたことを忘れたのです。それを見ていたいかず後家で祖母のめんどうを見ていた伯母が、「お母様、うなぎに梅酒はまずいでしょう 」とたしなめた瞬間に祖母は苦しみ出し血を吐いて病院にかつぎこまれましたが、そのまま亡くなりました。
祖母は若い頃、田舎町で芸者をやっていたのですが、当時実業家であった祖父に見初められました。そして周囲の反対を押し切って結婚したのです。
つまり私は芸者の孫という出生の秘密があるのです。